連載「キレイのツボ」
〜季節のめぐる中で

ツボは押すと気持ちいい、あのツボ。と同時にキレイになるために押さえておきたい大切なポイントのこと。

岡尾知子

鍼灸師、国際薬膳師、国際中医師。美容・健康ライターから東洋医学の世界に。鍼灸師として臨床にあたりながら「ロータス薬膳教室」を主宰。薬膳・セルフケアをテーマに雑誌やWebで幅広く活躍。近著に『はじめての薬膳生活』(法研)。
◾️ロータス薬膳教室
https://www.lotus-yakuzen.com/

Vol.1
ふくらはぎを押して
むくみをすっきり

草露白(くさのつゆしろし)

七十二候の第四十三候。草に降りた露が白く光って見えるころです。ようやく夏の厳しさが終わり、朝夕の涼しさが際立ってきます。
七十二候(しちじゅうにこう)とは:動物や植物など自然界の変化を捉えて、季節の移ろいを知らせる暦。都会に暮らしていると目にすることもなくなった自然の営みに、思いをはせる良い機会かもしれません。

足首に近いツボを押す

体に湿気がたまると、水分は体の下へ溜まるので足がむくみやすくなります。
そこで、有効なのは内くるぶしのツボを押すことです。おすすめは、内くるぶしとアキレス腱の間にあるツボA「太渓(たいけい)」と、そこから指幅3本分上にある「復溜(ふくりゅう)」のツボB。内くるぶしのうしろからアキレス腱に沿って、もみほぐすように、両手の親指の腹で押してください。ツボを指で押さえながら、足首を回すのも効果的です。

おなかを冷やさない

水分代謝の低下は、おなかの冷えによっても悪化します。まだまだ蒸し暑く、薄着でいると、知らずにおなかが冷えてしまいます。

みぞおちとおへその真ん中には、胃につながる「中脘(ちゅうかん)」というツボCがあります。むくみや下痢、体のだるさなどが気になるなら、ここに熱めのお湯(70℃程度)の入ったペットボトルをあててください。3~5秒あてて熱くなってきたらはずし、冷めたらまた3~5秒あてるのを繰り返すと、お灸を据えるのと同じような効果を得られるでしょう。

利尿作用のある薬膳茶を

足がむくむと「水分を控えたほうがよいのでは?」と思ってしまいますが、それは間違い。蒸し暑さの中、マスクをしていると水分が不足しがちになりますが、水の巡りを助けるお茶で水分を補給しましょう。おすすめは、韓国でよく飲まれる「トウモロコシの髭茶」。トウモロコシの髭は、薬膳では「南蛮毛(なんばんげ)」と呼ばれ、消化器系の機能を助けて利尿作用を促す働きがあります。常温で飲めば、体を冷やすこともなく、水の巡りの改善にも役立ちます。
ツボとお茶で体調を整えて、涼しい風が吹く季節を迎えましょう。