連載コラム「美のリズム」
国際薬膳師 岡尾知子

vol.4
涼しい秋にこそ
スキンケアを念入りに

10月の二十四節気は「寒露」と「霜降」。露が冷たく感じられたり、朝夕に霜が降りたり、冬にはまだ早いとはいえ一気に冷たい季節に向かいます。でも実際の10月は、一年の中でも最も過ごしやすい時季です。からりと晴れた秋空の下で、気分も活動的になりますが、この時期でも気をつけたいのが肌の状態です。自分の肌がどのタイプかを確認し適切な手入れをしていきましょう。

メラニンのダメージ

シミの原因といえばメラニン色素。でも、本来は紫外線から肌を守るためにできるもので、決して無駄なものではありません。メラニンがシミになってしまうのは肌のターンオーバーが乱れ古い角質やメラニンの排出がうまくいかないから。次の ような方は、このタイプです。

■肌に触れたときゴワつきを感じる
■化粧水の浸透が悪い
■夏にたくさん日差しを浴びた
■肌全体がグレーっぽい

このタイプの方は、肌の代謝を高めるケアが有効。角質ケアの美容液を使ったり、蒸しタオルやコットンパックで硬くなった角質をゆるめるケアが有効。そのうえで、しっかり保湿の手入れを行いましょう。

秋からのカサカサ対策

大量に汗をかいたり、エアコンの効いた部屋で一日を過ごしたりした炎暑の夏。こうした生活環境が遠因で、秋になってから肌の乾燥が進みます。さらに、通常より多くの汗をかいたあとは、かえって保湿ケアがおろそかになりがちです。次の項目に当てはまる方は肌の乾燥がかなり進んでいる可能性があります。

■毛穴の開きが目立つ
■肌に艶、透明感がない
■目の周り等にかゆみ・赤みが出る
■夏場は化粧水だけで過ごした

このタイプの方は、とにかく保湿に力を入れて! 化粧水だけでなく、クリームやオイルで油分を補い、与えた潤いを、しっかり肌に留めましょう。洗浄力の強いオイルクレンジングは、肌の潤いまで奪う可能性があるので、ミルク、クリームといったやさしいメイク落としを使ってください。

巡りをよくする

肌のくすみの大きな原因のひとつが血行不良。酷暑でエアコンの効いた部屋にこもりきりという人も多く、とくにこのタイプが増えているかもしれません。次に当てはまる方は、注意が必要です。

■手足が冷たい
■シャワーで済ませることが多い
■運動不足である

このタイプの方は、巡りをよくするケアを行いましょう。肩や首をストレッチしたり、お風呂でマッサージしたりが有効。さらに顔の表情筋を意識して動かして、笑顔をつくったりしてほぐすのも効果的です。気温が下がってくる本格的な秋に向けて血行をよくすることで美肌を底上げしていきましょう。

今の時季にしっかりケアしておけば乾燥がひどくなる晩秋から冬に向け健康的な美肌でいられます。自分に合った手入れで肌ダメージを一掃しましょう。

岡尾知子

美容ライター。国際薬膳師。鍼灸師。国際中医師。美容ライターを経て東洋医学の世界へ。雑誌やWebでライターとして活動しながら鍼灸師の資格を取得。現在、鍼灸の施術と薬膳教室の主宰も行っている。