連載「キレイのツボ」
〜季節のめぐる中で

ツボは押すと気持ちいい、あのツボ。と同時にキレイになるために押さえておきたい大切なポイントのこと。

岡尾知子

鍼灸師、国際薬膳師、国際中医師。美容・健康ライターから東洋医学の世界に。鍼灸師として臨床にあたりながら「ロータス薬膳教室」を主宰。薬膳・セルフケアをテーマに雑誌やWebで幅広く活躍。近著に『はじめての薬膳生活』(法研)。
◾️ロータス薬膳教室
https://www.lotus-yakuzen.com/

Vol.4
足の指の特効ツボで
食欲を抑える

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〝おうち時間〟が長くなって活動量が減る中、お楽しみといえば、おいしいものを食べること。外食は控えるけれど、その分、ちょっと贅沢な食材やスイーツにはまっている人も多いようです。そこで気になってくるのが肥満です。〝おこもり太り〟対策は、年齢・性別を問わず重大なテーマといえるでしょう。


足のツボで胃の熱を冷ます

食欲が止まらない状態を、東洋医学では〝胃熱〟といいます。胃熱とは、胃の働きが亢進し、熱を帯びていること。食べ過ぎの傾向がある人に多く見られます。体質だけでなく、ストレスによって症状が出ることが少なくありません。空腹感が強くなった、口臭が気になる、歯茎が腫れて出血するようになったなどの変化があったら要注意です。

食欲が抑えきれなくなったら、足の甲にある「内庭(ないてい)」のツボを押すのが有効です。場所は、足の第2指(人差し指)と第3指(中指)の分かれ目です。胃熱傾向の人は、指で押すと、奥のほうでツーンと痛みを感じるので、いちばん痛い場所(圧痛点)を探してください。


指で押すほか、米粒や小豆粒を絆創膏でツボに貼って刺激するのもお薦め。胃の熱を冷ます性質から、胃痛、腹痛、歯の痛みや腫れにも使われるツボなので、覚えておくと便利です。

「プチ断食」で胃を休める

現代人の胃熱は、ストレスと関連しています。精神的に疲れたときに、無性に辛い物を食べたくなったり、お菓子が止まらなくなったりするのです。そんなときの胃は、絶えず食べ物を送り込まれ、まさにオーバーヒートの状態。そこで、いま話題の「プチ断食」を試みてはいかがでしょう。

18時間水以外のものを摂らないのが「プチ断食」。夜6時に夕食を食べて、翌日の朝食を抜き、昼13時に昼食をとればよいので、意外に簡単です。約半日空腹に耐えるだけで、それまでフル稼働していた胃を休めることができ、たまった熱を冷ますことができるでしょう。

  
断食のあとは油っこいものを避け、野菜たっぷりの鍋物やスープなど消化に負担のかからないものにするのがポイント。こまめに胃を休めることで、過剰な食欲も徐々に本来の状態に戻ってくるはずです。