連載「キレイのツボ」
〜季節のめぐる中で

ツボは押すと気持ちいい、あのツボ。と同時にキレイになるために押さえておきたい大切なポイントのこと。

岡尾知子

鍼灸師、国際薬膳師、国際中医師。美容・健康ライターから東洋医学の世界に。鍼灸師として臨床にあたりながら「ロータス薬膳教室」を主宰。薬膳・セルフケアをテーマに雑誌やWebで幅広く活躍。近著に『はじめての薬膳生活』(法研)。
◾️ロータス薬膳教室
https://www.lotus-yakuzen.com/

Vol.11
老け見えの元凶
〝おばさん首〟を根絶

顔以上に年齢が出るのに見落としている首

メイクやスキンケアで鏡に向かうとき、つい見落としてしまう場所があります。それは首! 顔の小さなシミ、シワは気にするのに、その下の首には意外と無頓着。実は首こそ、老いのサインが顕著に出る場所なのです。テレビに出ている女優さんでも、「顔はきれいなのに首を見たら……」なんてこと、よくありますよね。そんなあなたも、年齢を重ねれば同じように〝おばさん首〟になるかもしれません。

首のシワに効くツボ「上廉泉(かみれんせん)」

首のシワやたるみの原因は、首の前側を幅広く覆う広頚筋という筋肉がかたくなること。姿勢が悪く、顔が前に落ちるような状態が日常化するとかたまりやすくなります。広頚筋を緩めるのにおすすめのツボが「上廉泉」。あごの真下にあるツボで、あごを上げて上を向き、あご骨の下をたどったときに触れる先端のくぼみ部分にあたります。

ストレッチしながら伸ばす

ツボを押すときは、首の前側をストレッチしながら行います。鎖骨からフェイスラインに向かっている広頚筋(こうけいきん)を意識することが大切。まず、片手で鎖骨全体を押さえ、反対の手の中指を「上廉泉」に当てます。ツボを押しながらあごを上げ、鎖骨を押さえた手で下に押さえるようにして首の前側をジワーッと伸ばしてください。気持ちよく伸びたところでゆっくり深い呼吸を2回。これを3回繰り返します。

〝おばさん首〟は、顔を前に倒す姿勢が定着して起こる加齢現象。デスクワークや料理をするとき、スマホチェックなど、毎日の作業で頻繁にする姿勢なので要注意。「上廉泉」のセルフケアで、上を向くのが辛い人は、〝おばさん首〟の予備軍。家事や仕事の合間、バスタイムなどに、こまめなケアを行ってください。続ければ、もたついたフェイスラインもすっきりシャープになりますよ!

首を伸ばして気分も晴れやかに

「上廉泉」のセルフケアをしてみると、毎日の生活がいかにうつむき加減だったかがわかります。一日一度は空を見上げて! 首も気持ちも、スッキリ伸びやかに過ごしましょう。