連載コラム「美のリズム」
国際薬膳師 岡尾知子

vol.6
年末年始に脂肪を溜めない
すぐできる5つの方策

早いもので、今年も残すところあとわずか。12月の二十四節気は「大雪」と「冬至」。22日が昼間の時間が最も短い冬至で、自然界では陰の気が極まる季節です。
陰気が旺盛になるこの時期は本来、自然界の変化に合わせてゆっくり休養する時。活動を緩め、エネルギーを蓄えるべき時期にあたります。ところが、現代の生活はその逆。年末は大掃除や年賀状書きなどプライベートでもやるべきことが山積みです。

忘年会やパーティでご馳走を食べたり、お酒を飲んだりで気がついたら体重が激増!なんてことに。
そこで、年末年始の肥満危険度をチェック! 体重を増やさないためのポイントを考えていきましょう。

あなたの肥満危険度は?

年末年始の生活で、あてはまる項目をチェック!
□いつもよりお酒をたくさん飲む
□料理をふるまうのが好き
□忘年会、新年会が3回以上ある
□忙しいと、食事が適当になる
□食べるのが早いほう
□夜がご馳走の日は昼にダイエット
□仕事や家事の合間に間食をする
□つい深夜まで夜更かししてしまう
□手足が冷えて眠れないことがある
□寒い日は億劫で外出を控える

診断──肥満危険度は?

0~1個 肥満危険度 10%未満
2~5個  肥満危険度 50%~
6~8個 肥満危険度 80%~
9個以上  肥満危険度 100%
該当項目が多いほど、肥満危険度は大!
肥満危険度の高かった方に、年末年始に太らないための5つのポイントをご紹介!

POINT1
夜がご馳走でも昼食は普段の食事を

忘年会やパーティがある日は、今日は特別、と考えがち。でも夜はご馳走だからと昼間の食事を減らすと、その反動で、夜に食べ過ぎてしまいます。同じ量でも夜食べたものは脂肪となって蓄積しやすいため、こうした食べ方は肥満のもと。夜に予定がある日も、いつもの食事を。

POINT2
チョコッと食べをやめる!

忙しい時期にやりがちなのが、「忙しいからチョコッと」「疲れたからチョコッと」と食べてしまう〝チョコッと食べ〟です。これをやると、満足感が得られず食べ過ぎになります。とくに仕事をしながら、テレビを見ながらの〝ながら食べ〟は、思っていたより遥かに多く胃袋に入れてしまう危険が大! すぐに食べられるお菓子類の買い置きはやめ、つまみ食いはしないようにしましょう。

POINT3 早食いはNG!
よく噛んで食べる

年末年始のあわただしさで、つい早食いになっていませんか? よく噛んで食べれば満腹中枢が働き、満足感が得られます。また、よく噛むことにより、食事による消費エネルギー(食事誘発性熱産生)が高まるというデータも。太りたくないなら、よく噛んで食べるクセをつけることです。

POINT4
酢のものやサラダは
強い味方

外食をするなら、ぜひ加えたいのが酢を使ったメニューです。酢に含まれる酢酸にはエネルギー代謝を活発にする作用が。食べたものをエネルギーに換え、燃焼を促す助けになるのです。お酒の席では、酢の物、サラダなど酢を使ったメニューを積極的に摂るとよいでしょう。

POINT5
大根とワカメの味噌汁を

飲み会の翌日は消化を助ける食事でおなかを休めましょう。薬膳でお勧めなのは大根とカブ。おなかにたまった食べ物の消化を助ける働きがあるとされ、胃腸の調子を整えます。またワカメや昆布などの海藻類にも、体内の滞りを取り除く働きが。忘年会、新年会の翌朝は、大根とワカメの味噌汁で消化機能をサポートしましょう。

POINT6
質の高い眠りで
リズムを整える

しっかり眠ることも、肥満予防のカギ! なぜなら、睡眠中には、脂肪分解作用のある成長ホルモンが分泌されるからです。人と会う機会が増えるこの時期は、就寝時間が遅くなりがちですが、できるだけ24時には寝床に入るようにしましょう。手足が冷たくて眠つけない方は、寝る1時間前に入浴すると眠りにつきやすくなります。

食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足など太りやすい条件がいっぱいのこの時期。食べ方の工夫と生活の知恵で、賢く肥満を予防してください。

岡尾知子

美容ライター。国際薬膳師。鍼灸師。国際中医師。美容ライターを経て東洋医学の世界へ。雑誌やWebでライターとして活動しながら鍼灸師の資格を取得。現在、鍼灸の施術と薬膳教室の主宰も行っている。